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株主・投資家の皆様には、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
サノヤスは持株会社の下、造船事業を“コア事業”、また陸上事業とレジャー事業を“第2のコア事業”と位置づけ、事業展開を図っています。
現在、造船の事業環境は新造船需給の緩和状態が恒常化し、船価が低迷を続けています。これに対処すべく、当社は新規開発船を順次市場投入するとともに、マリン・修繕船の受注拡大に取り組んでいます。また、陸上・レジャー事業については、事業全体の底上げを目指すとともに成長分野へ積極的な投資を行うことで一層の強化を図っています。
今年度も昨年度に引き続き「原点回帰」をテーマに掲げています。具体的には「安全第一」「最高品質・性能」「コスト競争力」「人財重視の経営」などの原点を確実に実践してまいります。
厳しい環境下であるがゆえに、常に企業としての「原点」に立ち返ることが必要であり、強くてしなやかで変化対応力に優れた人財とともに、この難局を乗り越え、次代に向けてチャレンジを続ける覚悟を新たにしています。
代表取締役社長 上田 孝

1.減収・減益も売上高・営業利益・経常利益は期初予想を上回る
平成29年3月期の連結業績は、売上高が530億64百万円(前期比0.5%減)、営業利益が9億4百万円(同57.4%減)、経常利益が8億63百万円(同50.6%減)となりました。
売上高については、造船事業において水島製造所における新造船の建造を着実に進めた他、改修船や船用LPGタンク製造が好調でした。また、陸上・レジャー事業においては、遊戯機械販売の伸長等が寄与しました。利益面については、営業利益・経常利益は黒字を確保しましたが、一昨年にオープンした「ポケモンEXPOジム」(大阪府吹田市)の営業を、平成29年9月をもって終了することとし、固定資産の減損処理を含め特別損失を15億44百万円計上しました。また、豪州観覧車において固定資産の減損損失6億52百万円を特別損失に計上しました。これらにより親会社株主に帰属する当期純損失は24億46百万円(前期は2億4百万円の同純利益)となりました。

2.新造船は3年分の受注を確保
海運・造船業界は、オイルショック、プラザ合意による円高以来、戦後3回目の構造転換期に直面しています。バルクキャリアーの運賃市況は歴史的低迷からは回復したものの、船腹及び製造設備の過剰という構造が依然として継続し、船価は低迷を続けています。
このような厳しい環境の中、64千重量トン型スプラマックス・バルクキャリアー2隻と82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアー2隻、2,800総トン型カーフェリー1隻の計5隻の受注を獲得し、当期末の新造船受注残は、基本方針である約3年分にあたる23隻を確保しています。
船価の低迷する新造船を補完すべく取り組んできたマリン・修繕船は、平成28年8月に、最新の定点保持装置(DPS)を搭載した自航式多目的船1隻を竣工し引き渡した他、修繕船や水島製造所での改修船、舶用LPGタンクの製造等が好調を維持しています。また、水島製造所及び大阪製造所のドックゲートの更新を行うなど、計画的な設備投資も行っています。

3.“第2のコア事業”の更なる強化を図る
陸上事業では、近年力を入れてきた機械式駐車装置のリニューアル工事関係の受注が好調であった他、国内トップクラスの化粧品等の乳化装置・攪拌機製造については、新たな分野の市場開拓も視野に入れて昨年11月に新工場を建設し、生産能力の拡大を行いました。更に、精密機械部品を手掛ける2社を統合し、会社の運営効率化、経営安定化及び技術力の強化を目指すとともに、新規事業として立ち上げたボラード(テロ対策用車止め装置)販売は、その成果を上げつつあります。
レジャー事業では、国内向けの遊戯機械販売及び遊園地運営において、熊本地震による減収影響はあったものの、前年度対比増収となりました。また、本年5月より、沖縄県(北谷町)において新たに観覧車運営を受託しております。今後は、九州地区の復興に伴う需要増を吸収して、更なる伸長を図ります。

4.「原点回帰」で難局に打ち勝つ
主力の造船事業は引き続き難しい局面が続くことが予想されます。しかし、如何なる経営環境であっても、企業としての基本である「原点」を忘れないこと、そして次の時代へ向けてチャレンジを続けることが大事であると考えています。中でも「人財」については、「企業は人なり」が私の信念であり、「次代の人づくり」が、企業の技術力や現場力の向上につながると考えています。
なお、同じく原点の一つである「安全」を徹底するために、グループ内の安全を掌る全社横断的な組織として、当社内に「ものづくり・安全推進部」及び「中央安全委員会」を設置しました。また、主力工場である水島製造所に「安全体感教室」を設置し、既に協力会社を含む数百名の役職員が安全体感教育を受けるなど、安全推進に取り組んでいます。
安全体感教室(サノヤス造船 水島製造所)

造船事業においては、船腹及び建造設備の過剰が継続しており、船価は低迷しています。このような事業環境の下、当社は戦略的な技術開発・製品開発を推進しています。船舶の環境に関わる国際規則への対応としては、2020年発効予定のSOxの次期排ガス規制に備えた開発を進めています。また、平成29年7月には、昨年竣工した自航式多目的船「AUGUST EXPLORER」がシップ・オブ・ザ・イヤー2016「特殊船部門賞」を受賞しました。セイカエンジニアリング鰍ニ共同開発を進めている舶用LNG燃料供給システムは、受注に向けた実設計の段階に入っています。
当第1四半期においては、新造船の受注はなく、新造船2隻の引渡しを行い、受注残高は21隻となりました。営業方針としている約3年分の受注残は維持しています。新造船を補完すべく取り組んでいるマリン・修繕船部門では、改修船、舶用LPGタンクの建造等が順調に進捗しました。前第1四半期では急速に円高が進み営業損益は赤字となりましたが、当第1四半期は円相場が安定的に推移したことにより、前年同四半期比で増益となりました。

陸上事業においては、主要市場である国内設備投資が回復基調にある中、市場ニーズに対応した製品開発と受注に注力するとともに、ものづくり力の強化に取り組んでいます。平成29年4月1日には、精密機械を手掛ける2社をサノヤス精密工業鰍ノ合併させ、経営効率化の推進と、生産管理・商品開発の強化を図りました。
当第1四半期においては、特に半導体産業及び自動車産業向けの精密機械加工や化粧品用機械製造が好調に推移し、前年同四半期比で増収増益となりました。

レジャー事業においては、前述の通り、一昨年に「EXPOCITY」(大阪府吹田市)にオープンした「ポケモンEXPOジム」を平成29年9月に営業終了することといたしました。遊園地運営においては、平成29年5月より沖縄県北谷町にて新たに観覧車運営を受託しました。
当第1四半期においては、赤字となりましたが、その赤字幅は前年同四半期比で縮小いたしました。

これらの結果、平成30年3月期の第1四半期の連結業績は、売上高119億74百万円、営業利益3億42百万円、経常利益3億43百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億50百万円と、前年同四半期比減収増益となりました。(詳しい内容については、平成29年7月31日に開示した「 平成30年3月期 第1四半期決算短信」をご覧ください。)

通期の連結業績見通しにつきましては、売上高470億円、営業利益3億円、経常利益2億円、親会社株主に帰属する当期純利益1億円を見込んでいます。

株主・投資家の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援を賜りますよう、何卒、宜しくお願い申し上げます。
平成29年8月
サノヤスホールディングス株式会社
代表取締役社長