平成29年度入社式社長訓示
人事部
2017/4/3
サノヤスホールディングス株式会社
代表取締役社長 上田 孝
◆はじめに代表取締役社長 上田 孝
皆さん、入社おめでとうございます。夢と希望に溢れた若者33名をお迎えすることは誠に嬉しいこと。サノヤスグループを代表して皆さんの入社を心から歓迎します。
◆経営環境について
昨年、皆さんは就職活動や卒業研究と多忙な学生生活を過ごしていたかと思いますが、世界・国内情勢を見渡してみれば、4つのショック(又はサプライズ)ともいうべき出来事が起きた、まさに歴史に残る1年でした。
本年度も世界情勢を揺るがしかねない、予測不能な事態が起こるかも知れませんが、先の見えない「不透明・不確実・不安定な時代(三不の時代)」を逞しく生き抜くために、これら「ショック」に一喜一憂することなく、Team Sanoyas一丸となって、次の2つの考え方を基本としてこの「三不の時代」に臨んでいきたい。
一つ目は「We must change to remain the same」直訳すると「変わらない為に変わらなければならない。」つまり、我々自身が生き残っていくために、時代の変化に合わせて会社も個人も変わり続けなければなりません。
二つ目は「Tough times bring opportunity」日本語では、「ピンチはチャンス」という言葉です。チャンスには幸運・偶然という意味が含まれますが、Opportunityは努力して引寄せた好機ということ。ピンチに遭遇しても、失敗を恐れず、前向きに取り組めば、チャンスは必ず訪れると思います。皆さんも、社会人として必ず困難(辛い時)に遭遇しますが、その時こそチャンス到来と信じて積極的に立ち向かって欲しい。
◆新入社員への期待とお願い
期待と不安で一杯の新入社員の皆さんに二つのことをお願いします。
@ 100年企業で働く誇りと自分達のサノヤスを創って行こうという気概を持て!
サノヤスは1911年(明治44年)大阪で創業、4月1日で106歳を迎えました。
2012 年1月にサノヤスホールディングス株式会社(持株会社)のもと、サノヤス造船・建機・エンジニアリング・ライド・サノテックといった事業会社がその傘下に入り、新しいサノヤスグループとして創業第二世紀への航海をスタートしました。その後、更なる組織改編を経て、現在16社で1,500名強、協力会社等を含めると2,300名強が働く企業グループ、東証一部上場会社です。
サノヤスは創業以来「まごころこめて生きた船を造る」という理念のもと、誠実に愚直に仕事をし、お客様や多く取引先の皆さんに支持されてきました。そういう歴史と伝統があります。皆さんには先ず、サノヤスで働くこと、サノヤスの社員になったことに対してプライド・誇りを持って頂きたい。同時に、上場会社グループの社員としての責任を自覚し、自分達の新しいサノヤスを創って行こうという気概を持って頂きたい。
A 「基本」を確りと学び、「三つの目」を養って欲しい!
サノヤス社員の行動指針として、私は社長就任以来この8年間「二つのカエル」ということを言い続けています。「二つのカエル」とは、第一に、「基本・原点に還る(戻る)こと」、二つ目は「変化対応のため自らを変える(Changeする)こと」。「基本・原点」とは行動を起こす上で、第一に考えるべきことです。
ドナルド・トランプ米国大統領は「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」、小池百合子東京都知事は「都民ファースト」と宣言しましたが、サノヤスは何を第一に考えるか。本年年頭、サノヤス社員に向けたメッセージとして私は11項目の「原点回帰」を強調しましたが、新入社員の皆さんには、Safety firstとQuality firstの意識をまず確りと持って頂きたい。
Safety first:安全第一、企業活動の源泉が「人」である以上、掛け替えのない社員の安全は全てに優先します。この考え方は、製造業を基本とするサノヤスグループにおいて、皆さんが今後仕事をする上で、いつ・いかなる時も忘れないで欲しい。
Quality first:品質・性能第一、製品の品質性能は企業価値(ブランド)に直結し、お客様から信頼される為の基礎となるものです。そしてサノヤスにおいては、 100年以上に亘って培った技術と細部にまで手を抜かず品質性能に拘る社員一人一人が企業ブランドそのものなのです。つまり、サノヤスの原点は「人」であり、「社員一人一人を財産」=「人財」と捉える人財重視の企業グループです。皆さんが本日入社したサノヤスとはそういう企業であります。
次に、二つ目の「変える(Change)」について、本日入社した新入社員の皆さんには、学生から一人前の社会人・サノヤス人へと意識を変える為に、「三つの目」を持って頂きたい。
一つ目は「虫の目」です。これは現場・現物・現実というミクロ(足元)を見つめ続ける目のことですが、現場第一主義という意識を持って、仕事を一つ一つ確り覚えて欲しい。
二つ目は「鳥の目」です。これは、大所高所から広い視野をもって物事を見つめて、マクロ(大局)を把握する目のことですが、皆さんにはまず配属された部署の中でチームワークを大事にして、自分が何をすべきか考え行動して貰いたい。
三つ目は「魚(さかな)の目」です。これは、トレンド(傾向)・時代の流れを見極める目のことですが、新入社員の皆さんには、世の中で何が起こっているのか、常に興味を持ってアンテナを張り情報と知識を吸収して、社会人としての教養を身につけて欲しい。皆さんの日々の研鑽を期待しています。
◆むすび
私はサノヤスが『良い会社』Good Companyでありたいと常々考えています。それは、業界大手であるとか、有名企業であるといったことではありません。
この話と関連して、先日まで放送されていたNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』に登場する「四つ葉のクローバー」の話を紹介したいと思います。このドラマのキーモチーフである「四つ葉のクローバー」とは「勇気、愛情、信頼、希望」の四つを意味し、これらが揃えば幸せになると言います。
私はサノヤスがGood Companyとなる為にこの四つのキーワードが重要であると思います。つまり、「二つのカエル」を実践する勇気、我々が造り上げる「べっぴん=別品」に対しての愛情・愛着、仲間への愛情・尊敬、お客様はじめ全てのステークホルダーからの信頼、そして働き甲斐を実感でき、誇りと将来に希望を持てる会社、この四つです。
本日入社された新入社員の皆さん、我々と共に『良い会社』Good Companyを創り上げて行きましょう。
皆さんが心身共に健康で、高い志を持った立派な社会人として成長されることを願うと共にその活躍を期待して、私の歓迎の挨拶と致します。
平成29年度入社式
以上